https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20170728-00000067-jnn-soci

５日前、茨城県の常磐自動車道で、２台の乗用車が衝突する事故が起きました。片方の車は３人全員が死亡。もう片方は、５人全員が一命をとりとめました。その生死を分けたものは何だったのでしょうか。

　大破した２台の車。特にフロント部分は原型をとどめていません。作動したエアバッグの上には、割れたフロントガラスの破片が散らばっています。

　今月２３日、茨城県小美玉市の常磐自動車道の上りで、この２台の車が衝突しました。車は追い越し車線を走行中に左の車線にはみ出し、後ろから来た車と衝突しました。ハンドル操作を誤ったとみられています。
事故があった道路は片側３車線。警察によりますと、一番右の車線を走っていた車が、一度右に寄りますが、すぐに左にハンドルをきったことで中央の車線にはみ出し、後ろからきた車と衝突。２台の車はさらに道路左側のガードロープに激突しました。

　追い越し車線を走っていた車に乗る男性３人は全員死亡。一方で、もう１台の車に乗っていた５人は重軽傷を負いましたが、一命をとりとめました。生死を分けたのは、「シートベルト」。
けがをした５人の車は全員つけていたのに対し、死亡した男性３人の車は、全員つけていなかったとみられることがわかったのです。

　車の衝突事故の実験映像。シートベルトをつけている場合とつけていない場合の違いを示しています。
シートベルトをつけていない人形は前方に投げ出され大きく跳ね上がりますが、シートベルトをつけている人形はしっかりと固定されたまま。両者の体への衝撃の差は明らかです。

　「シートベルトを正しく着装していれば、お亡くなりになるという最悪の事態は避けられた事故ではなかったのかなと考えております」（茨城県高速道路交通警察隊 吉村隆二副隊長）

　また、「エアバッグが作動しても、シートベルトをしていないとむしろ逆効果になりかねない」といいます。

　「シートベルトをしていない場合、体がぶつかる瞬間にはエアバッグがまだ膨らむ途中であたる危険性が非常に高くなる。衝撃が倍になって非常に危険な状態に陥ると思われます」（茨城県高速道路交通警察隊 吉村隆二副隊長）

　茨城県警は、シートベルト着用の徹底を呼びかけています。（28日15:15）